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日本ラグビー界の希望。史上初の「大学生トップリーガー」山沢拓也のとてつもない将来性

2019年、この男がキーマンになる! 史上初の大学生トップリーガーの「これまで」と「これから」

キックでゲームをコントロール。難敵ヤマハを撃破!

 1月21日(土)、大阪・東大阪市花園ラグビー場で行われた日本選手権の準決勝、パナソニックの相手は、トップリーグの開幕戦で敗れたヤマハ発動機だった。SOバーンズが負傷していたこともあり、山沢は再び10番を背負う。大学生トップリーガーが同じ相手にどんなプレーをするか、ラグビーファンの耳目を集める一戦となった。

 この試合をコントロールしていたのは明らかにパナソニックの10番だった。相手のディフェンスが前に出れば、裏にキックを蹴って好機を演出するなど攻撃的かつ、落ち着いたプレーを見せて36-24でチームを勝利に導き、成長の跡を見せた。指揮官は「チームに溶け込んで、どう機能するかが一番大きな部分で、それを上手くやってくれた」と目を細め、ハーフ団を組んだSH田中も「判断もよくなってきたし、声もよく掛けてくれるようになった。判断、スキルはほぼパーフェクトだった。この1年でレベルアップしたと思います」と、10歳年下の後輩を称えた。

 山沢本人も「今回は負けたら終わりの対戦でしたし、(開幕戦で)負けた相手だったので勝てて良かったのが一番です。開幕戦よりは良いプレーができた。練習では体験できない緊張感の中で、少しずつ慣れてきたこともあり、こうしないといけないと思っていたプレーをしっかり出せた」とチームを勝利に導き、安堵の表情を見せた。

高かったサントリーの壁、そして2019へ~

写真:斉藤 健仁

 日本一を決める舞台でも臆することなくプレーした山沢は「サントリーは全員が立っているイメージで、アタック時にスペースはあまり見つけることができなかった。自陣で釘付けにされたので、エリア取りのところで、もう少し敵陣でプレーしたかった」と反省しつつ、「修正するところは修正して来シーズンこそは勝ちたい」と先を見据えた。

 こうして大学生トップリーグの挑戦は終わった。山沢が「濃い1年でした。大学では得られない経験ができた」と振り返ったように、本人も十分に成長を感じるかけがえのないシーズンとなったことは間違いない。

 現在、イングランドを率いるジョーンズHCも「2019年の中心選手になる」と名指した山沢は「先のことは考えていないし、日本代表に対する思いも変わっていません。ただパナソニックの上に代表があると思うので、来シーズンもこのチームでしっかりと試合に出られるようにしたい」と、まずはパナソニックでさらなる飛躍を誓った。

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斉藤 健仁

さいとう けんじ

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365 」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。


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